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PCBとは
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pcb-01 PCBとは

■PCBとは
PCB(ポリ塩化ビフェニル)とは、化学的に合成された有機塩素化合物の一つで、ベンゼン環が二つ結合したビフェニルと呼ばれる物質に含まれる水素(10個ある)が塩素に置き換わった化学物質です。置き換わった塩素の数や位置により209種類の異性体があって、これらを総称してPCB(ポリ塩化ビフェニル)といっている。
PCBは、無色透明、化学的に安定、耐熱性、絶縁性や非水溶性など優れた性質を持っていたため変圧器・コンデンサ・安定器などの電気機器用絶縁油や感圧紙、塗料、印刷インキの溶剤などに、幅広く利用されてきた。
PCBは、生体内にたやすく取り込まれ、しかも残留性が高く、皮膚障害などの慢性毒性が認められます。

■歴 史 
約80年前に生産が開始されました。日本では1954年(昭和29年)から生産が開始され、1972年(昭和47年)までに約5万4千トンが生産・使用された。
1968年(昭和43年)に発生したカネミ油症事件を機にPCBの毒性が大きな社会問題となった。
1973年(昭和48年)に制定された「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(翌年施行)」により製造・輸入・使用が原則として禁止された。
PCBの処理は、これまで施設の整備が進まなかったことから、約30年の長期にわたり事業者によって保管が続いている。
平成3年の「廃棄物の処理及び清掃に関する法律「廃棄物処理法」の改正で、PCB廃棄物は「特別管理産業廃棄物」として、厳格な管理が義務付けられてる。

* PCB関連年譜 *

 

1881  PCBの合成(ドイツ)

1929  工業生産の開始(アメリカ)

1954  日本で生産開始

1968  カネミ油症事件

          (毒性の社会問題化)

1973  化学物質審査規制法制定 

          (輸入・製造・使用の原則禁止)

1992  廃棄物処理法改正

          (特別管理産業廃棄物制度)

1998  廃棄物処理法施行令改正

          (化学的な処理方法の追加)

2001 PCB特別措置法制定

 

■紛失などによる環境リスクの拡大の懸念    

長期保管を余儀なくされているため、保管中であるPCBが不明になったり、使用中止後、保管されることなく廃棄処分される危惧が高まっている。
このように、PCBの保管が長期化することによ り、PCBによる環境リスクの拡大が懸念され、PCBの早急な処理施設の整備と、適正管理の徹底が求められている。


■使用中のPCBについて 

 PCBは、昭和48年頃までには、多くは回収さ れたり、使用が中止された。
 しかし、コンデンサなどPCBが密閉された状態 にある製品については使用が禁止されなかったため、 現在もなお保管されずに使用されている製品がありる。

使用中のPCB(主なもの)

高圧コンデンサ
高圧トランス(変圧器)
照明用安定器(業務・施設用)
(一般家庭用の蛍光灯には使われていません)

 

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